外資系コンサルタントが主夫になったら

主夫、はじめました。興味のあることをとことん研究します。勉強法、テクノロジーなど

確率は1時間で解けるようになる

目標習得時間:1時間 問題数:3問

 

■確率とは「求める場合の数/すべての場合の数」

場合の数同様、確率も公式を覚えていれば何となく解けてしまうため、問題が少し難しくなるだけで太刀打ちできない、という人が多い分野だと思います。

場合の数において「全て数え上げる」が基本であったように、確率でもベースとなる考え方を持っておくことが重要です。それは、確率の定義である以下です。

f:id:shufu-gaishi:20180525130549p:plain

これは当たり前のようでありながら、確率を苦手としている人ほど意識できていないと感じます。つまり重要なことは、確率は独立した単元ではなく、場合の数の応用問題と考えるべきだ、ということです。

 

■確率の習得は3段階のステップ

逆の考え方をすれば、場合の数を習得した上でこの確率の定義だけ理解すれば、確率の問題はすべて解けてしまうのですが、丁寧に理解するため、ここでは3段階のステップを踏みたいと思います。

  1. 試行が1回
  2. 試行が2回
  3. 試行が3回以上

それでは、順番に例題を提示します。

 

 ■確率=求める場合の数/すべての場合の数

問1 1~9までの数字が書かれたカードから4枚を順に引いて4桁の整数を作るとき、奇数になる確率を求めよ。

確率の定義に従います。つまり、

  • 全ての場合の数:カードの並べ方の総数
  • 求める場合の数:奇数になる並べ方の数

という2つの場合の数を求めて割り算します。

f:id:shufu-gaishi:20180525134434p:plain

f:id:shufu-gaishi:20180525134442p:plain

もし上記計算が難しいと感じたら、場合の数を復習しておきましょう。

ichiyazuke.hatenablog.com

 

実はこの問題は、1の位に奇数を引く確率が5/9、ということに気が付けば計算する必要もないのですが、人の並べ方の問題になったとき、くじ引きの問題になったときに全く応用が利かないので、初学者にとっては完全な悪手と言えます。一方、確率の定義に従った計算方法を覚えておけば、場合の数の演習さえすれば確率の成績も上がります

 

■複数回の試行は、「確率の順列・組合せ」と考える

問2  1~9までの数字が書かれたカードから4枚を順に引いて4桁の整数を作る試行を2回繰り返すとき、1回目が偶数、2回目が奇数となる確率を求めよ。

もちろん確率の定義に従って「求める場合の数/すべての場合の数」と計算しても構いませんが、互いに全く影響しない試行を繰り返す場合、それぞれの確率を求めて、それらを順列・組合せの問題のように並べて掛け算する、ということができます。

f:id:shufu-gaishi:20180525141630p:plain

2つの確率を掛け算する、という点は感覚的にも分かりやすいので問題ないと思いますが、「順列・組合せのように」考える部分に少し違和感を感じるかもしれません。確かに本問でここまで考える必要はないのですが、次の問題でその意味を理解していただけるはずです。

問3  1~9までの数字が書かれたカードから4枚を順に引いて4桁の整数を作る試行を5回繰り返すとき、奇数が3回出る確率を求めよ。

 このように、試行が3回以上になるシーンにおいて、確率を「順列・組合せのように」考えると効果的です。これは、説明するよりも解法を見た方が分かると思います。

f:id:shufu-gaishi:20180525144820p:plain

 このように、複数回試行を繰り返す問題は、まず個別の確率を求めた上で「何回目でその事象が起こるのか」を考える順列・組合せの問題につながってきます。最終的に、問1を経由せずに問3を解き切ることができれば、確率単元は十分理解できたと言えるでしょう。

 

■確率の成績を上げるコツは場合の数を演習すること

確率を場合の数の応用問題と考えれば、基礎レベルの確率の問題として習得すべきは上記の問3だけ、と言ってよいでしょう。とにかく確率習得の秘訣は、小手先のテクニックを身に着けるよりも、場合の数をたくさん演習することです。

 

■もっと分かりやすく!オンライン学習サービスを始めました!

2020年8月、「一夜漬け高校数学」は、オンライン学習サービス「スタディメーター」としてリニューアルしました!

講義動画はYoutubeで無料配信中!公式サイトで販売している講義スライドと練習問題を一緒に学習すると、1人でもしっかり数学の力を身に着けることができます。