目標習得時間:1時間、問題数:5問
■まずはCの計算を習得する
前回の場合の数・順列に続き、今回は組合せを効率的に学ぶ方法をまとめます。
まず、順列ではPを使う意味がなかったのに対して、Cという公式の使い方を覚えておく方が効率的です。
<覚えるべき公式>
問1 5色のボールの中から3つを選ぶ方法は何通りあるか。
(難易度★)
Cの公式を使って計算します。
答 10通り
「なぜ3×2×1で割るのか?」という点は確かに重要ですが、まずは「こういうもん」と割り切って覚えてしまうのが効率的だと思います。初学の時点で理解しようとするより、ある程度問題が解けるようになった後で公式の定義を見直す方が理解も早いと思います。
■基本は順列と同じ考え方
さて、組合せの問題は、基本的には順列と同じ考え方で理解できます。
問2 男子3人、女子4人の中から5人の委員を選ぶとき、男子2人、女子3人となる選び方は何通りあるか。
(難易度★★)
この問題を解くためには、2つの考え方があります。どちらの考え方でも解くことができるので、理解しやすい方を今後考えるベースにしてください。
答 12通り
これは、順列計算のパターン「1.条件なし」の問題だと考えた場合です。並び順が関係ないので、男子の箱と女子の箱、2つの箱を作る、という点が肝です。
もう一つの考え方は、「男子は2人、女子は3人」を条件と捉えて、「2.先に置く」のパターンだと考える方法です。
どちらの方法で考えても答えは一緒になるので、分かりやすい方の考え方をベースにしてください。また、うまく解けないときに考え方をスイッチする方法もあると思います。
■3つの特殊パターンを理解する
このように、組合せの問題は順列で導入した4パターンの解法を応用して解くのが基本です。ただし、3つの特殊なパターンが存在し、その演習が必要です。
問3 12人を4人ずつの3グループに分ける方法は何通りあるか。
(難易度★★)
組合せの問題では、最初に用意する箱に同一のものが存在する場合があります。このようなケースでは、重複する分を減らす必要があります。この手順についても、意味はともかく覚えてしまうのが早いでしょう。
答 5775通り
次の特殊パターンは、「仕切りを入れる」というパターンで、使い方次第では他の問題にも応用できる非常に便利な考え方です。
問4 みかん、りんご、いちごの中から5個の果物を選ぶ場合、選び方は何通りあるか。ただし、選ばない果物があってもよい。
(難易度★★)
これは、「仕切り」という考え方を導入し、以下のように考えていきます。
つまり、これまでのように「箱に入れる」という考え方ではなく、「箱を仕切りで区切る」という考え方を導入することで、解法の幅が広がります。
答 15通り
最後に、組合せ問題の特殊ケースである最短経路の問題に取り掛かります。
問5 AからBまで行く最短経路は何通りあるか。ただし、必ずP地点を通ること。
(難易度★)
これは、右または上だけに進み続ければ必ず10手でBに到着し、どう進んでも最短になる、と考えます。つまり10手のうちどこで「右」を選択したかを数えればよいのですが、実はこの問題、道が複雑になると計算が非常に難しくなります。そんな時は、基本である「全て数え上げる」に立ち戻り、全てのパターンを数えてしまうほうが効率的です。
そのために、最短距離の数え上げ方を知っておくのが便利です。
この方法に従うと、今回の問題は以下のように解くことができます。
答 90通り
以上で場合の数、順列、組合せを一通り学ぶことができました。
ほとんどの教科書、問題集では、この単元だけで数十問の演習が用意されますが、集約すると前回の投稿と合わせて12問に分類することができます。この12問を習得することで、場合の数・順列・組合せの単元は理解したと言えるでしょう。
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