外資系コンサルタントが主夫になったら

主夫、はじめました。興味のあることをとことん研究します。勉強法、テクノロジーなど

いろいろな式は1時間で解けるようになる

目標習得時間:1時間 問題数:4問

 

■数I 数と式/二次関数の続き

この単元は、数Iで学習した数と式、二次関数の続きです。従って、この単元に取り組む前提として数Iの理解が不可欠ですから、まずはこちらの記事からご覧いただくことをお勧めします。

逆に、数Iの理解さえできていれば、ただ計算トレーニングの難易度が上がるだけなので、スムーズに理解することが可能です。

 

さて、この単元で習得すべきは以下です。

  1. 複素数
  2. 二次方程式の判別式
  3. 二次方程式の解と係数の関係
  4. 因数定理

他にも細かい定理がいくつか出てきますが、利用頻度が低いので、必要になったとき習得すれば十分だと思います。

 

複素数の意味は、考えない方がよい

複素数」という新しい概念が登場します。複素数の定義「二乗するとマイナス1になる」は非常に覚えやすいと思いますが、この意味については誰もが躓くところです。

しかし、残念ながら数IIのカリキュラムの範疇で複素数の存在意義を説明することは困難なので、諦めてそういうもんだと納得するのが正解だと思います。(高校数学全体で考えれば、数IIIの複素数平面を学習すると意味が少しわかります)

 

ここでは、計算の手順だけ確認することにします。

問1 以下を計算しなさい。

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数I 数と式で根号を含む分数が登場したときと同様、複素数を含む分数でも分母をシンプルにしていきます。とにかく覚えておくのは「二乗したらマイナス1」だけです。

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難しいと感じた方は、数と式の根号計算を先に復習していただくことをお勧めします。

 

■「判別式」は考え方を覚えておけば十分

問2 以下の二次方程式はどんな解を持つか。

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今後の応用のために、この問題は2種類の解法を理解しておくことが有効です。

まず、二次関数の単元で「二次方程式の解はグラフの交点」という話がありました。すなわち、この方程式の解は、

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という2つのグラフの交点だということです。実際にグラフを描いてみると、

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となり、両者の交点は無いので「解なし」が答えです。ただし、この「解なし」は、この単元以降は「二つの虚数解」と言い換えられることになります。

答 与えられた二次方程式は、二つの虚数解を持つ

 

さて、この「虚数解」というものを、実際に計算することが可能です。二次方程式の解の公式を使い、虚数iの定義を適用すれば、

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と計算することができます。複素数の意味を考えなければ難しくないと思います。

ただし、

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という表現は数学上正しくなく、テストの解答に書くと減点されるかもしれないので注意してください。(個人的には、別にいいじゃん、、、と思いますが)

 

さて、この計算をすると、解の公式を利用するときに解が実数か虚数かを知るためには、ただ根号の中がプラスかマイナスかを調べればよいとわかります。この解の公式の根号の中身を「判別式」と呼びます。

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今回の問題でも、判別式の値が-4となるので、2つの虚数解をもつことがわかります。

 

今回の問題のように、関数のグラフを描ける状況では「方程式の解はグラフの交点」という考え方を利用する方が分かりやすいと思いますが、文字を含むような場合で、簡単にグラフを描けないケースでは、この判別式により方程式がどんな解を持つか分析する必要が出てくるのです。このように、判別式はその定義よりも、二次方程式の解の種類を把握する方法だということを覚えておくことが重要です。

 

■解と係数の関係は丸暗記

問3 

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この問題は、解の公式を使って二つの解を求めてももちろん構いません。ただ、今回のように計算したい式はシンプルなのに解が非常に複雑、というケースで「解と係数の関係」という公式が非常に役立ちます。

解と係数の関係

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この公式を覚えておくと、 計算が非常にスムーズです。

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■因数定理+整式の割り算で、因数分解のスピードアップ

この単元では、乗法定理・因数定理というものが登場しますが、数ある高校数学の定理の中でも、意味を理解しにくく、使いどころがわかりにくいものです。

実はこの定理の意味は、ただの因数分解テクニックです。この意味さえ理解しておけば、定理の内容など覚える必要がありません。

問4 以下の3次方程式を解け。

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さて、3次方程式というのはこの単元で初登場しますが、考え方は2次方程式と全く同じで、ただ因数分解するだけです。ではどうやってこれを因数分解するか。その方法は、

まず1つ解を見つける

ことです。

 

今回の場合、適当に値を代入していくと、x=1が一つの解だとわかります。これはつまり、

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 という因数分解が可能だ、ということです。では、???に入るものは何か。次に整式の割り算、というテクニックを習得します。つまり、上記の式が満たされるということは、

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なので、割り算して???を求めます。

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従って、

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となります。

整式の割り算は難しく見えると思いますが、よく見ると普通の数のひっ算と同じです。 左に書いた式と上に書いた項を掛け算して、次々引き算していくだけです。

ここまでできればあとは簡単です。

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さて、この問題には高次方程式の解法、因数定理、整式の除法という様々なテクニックが登場しており、少し難しいですが習得必須です。

実は因数定理?という言葉は登場しませんでしたが、

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という部分が因数定理です。教科書ではとても難しい定理のように紹介されていますが、問題の中で見るとわざわざ覚えておく必要もない事実だとわかるでしょう。すなわち、この因数定理というのは、定理自体が重要なのではなく、高次式を因数分解するためのテクニックとして「=0の解を一つ見つける→式を割り算する」という手順を覚えておくことが非常に重要です。

 

■いずれのテクニックも習得必須

以上が数IIで登場する計算テクニックです。数Iと比べるとかなりレベルアップしていますが、いずれも他単元で必要になる習得必須の計算テクニックなので、 ぜひ繰り返しチャレンジしていただければと思います。

 

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